SEMI通信 2019年8月号 スタンダード情報

FO-PLPに関する標準化活動の進捗

 

3D Packaging and Integration(3DP&I)日本地区技術委員会
共同委員長:釣屋政弘(iNEMI)、島本晴夫(AIST)

 

 

今月号では、SEMICON Japan 2018でのパネルディスカッション内容の紹介とともに、Fan-Out Panel Level Packaging(FO-PLP)パネルサイズの標準化活動の進捗などをお伝えします。

 

1. SEMICON Japan 2018でのパネルディスカッションの報告

SEMICON Japan 2018にて、パネルディスカッションを開催し、次の3点を行いました。

 ① SEMIスタンダード 3DP&I技術委員会にて制定した規格類の紹介 
 ② 装置、材料メーカからみたPLPの課題と規格化すべき項目のパネルディスカッション
 ③ PLP製造会社からヒアリングしたアンケート結果のまとめと必要とする規格の報告

パネルディスカッションの内容としては、PLPの具体的な実施例としてSamsungのGalaxy smartwatchがありますが、さらなる拡大のため「PLPの展開を加速するための課題と規格化すべき項目」をテーマに、PLPの課題について、FOWLPやBGAの組み立て方法とを比較しながら論じていただきました。

 

図1

図表1  PLPパネルディスカッションメンバー

中央3名がパネラー
(左から パナソニックファクトリーソリューションズ:佐藤氏、TOWA:山田氏、富士フィルム:伊藤氏)

 

まず初めに、パナソニックファクトリーソリューションズ(株)佐藤氏より、パネルへのチップ搭載プロセスについて、チップ搭載のアライメント方式と基板全体に対する実装精度と高生産性を。次に、TOWA(株)山田氏より、チップ搭載後のパネルモールドプロセスについて、モールド完了後をシミュレーションした製品設計(部品配置や材料選択)の重要性とハンドリングするパネルサイズが不揃いであることが及ぼす影響の大きさを、それぞれ発表いただきました。最後に、富士フィルム(株)伊藤氏より、モールド後に形成される再配線形成プロセスについて、新規パネル用写真製版装置に対応した材料開発や全体の反り低減のための高信頼性低温キュアポリイミド材料開発等が課題であると報告いただきました。

また、ディスカッションを通じて、それぞれの工程間での関連性について熟知することの重要性が再認識されました。

 

2. PLPパネルサイズの標準化活動

次に規格化すべき項目は、上記パネルディスカッション発表者3社とも共通して、パネルサイズを挙げました。本件については、2017年から北米主導でFan-Out Panel Level Packaging (FO-PLP) Panel タスクフォースにて、SEMIスタンダード文書案Doc #6332「New Standard: Specification for Panel Substrate Size for Fan-Out Panel Level Packaging (FO-PLP) Applications」が検討され、台湾および日本のスタンダード委員とも議論の上、この夏ようやく、600mm×600mmと510mm×515mmの2種類のサイズで合意に達し、2019年内には、SEMIスタンダードとして出版される見込みです。

 

3. PLP製造会社からヒアリングしたアンケート結果

SEMICON Japan 2018でのパネルディスカッションの準備として行った、PLP製造会社数社からのアンケート回答からは、図表2に示すような課題が抽出されました。大きくはプロセス精度アップ、生産性向上に関わるスループット改善およびコストダウンに直結する歩留まり向上の3つの観点に起点する内容となっています。これらの課題の解決がPLPの適用拡大につながると考えます。

 

 項目精度スループット歩留まり
プロセス反り対策  
ダイシフト抑制 
アライメント改善 
チップダメージレス搬送  
装置高精度ダイボンド 
高速度ダイボンド  
モールド材封止方法 
ボンド/デボンド 
RDL材塗布方法 
露光装置
材料モールド材 
RDL材
テンポラリ材 

図表2  PLP製造メーカから見た課題

 

併せて、上述のパネルサイズ以外に規格化したい項目を整理すると、次の5点となります。

 ① 搬送形態(ハード、反り量の規格)
 ② 支持体の特性(各界面の接着強度 含む)
 ③ 封止材の特性(各界面の接着強度 含む)
 ④ トレーサビリティ
 ⑤ KGD,ESD等の検査に関わる項目

その中で、①の搬送形態については、PLP Panel FOUPタスクフォースで活動中、②の支持体に関しては、PLP Glass Carrier タスクフォースで活動を開始、③の封止材に関しては、PLP Encapsulant タスクフォース(仮称)が始動予定で、これら3つの活動は、全て日本主導で標準化活動を進めており、より多くの⽅に本標準化活動へ参画されることを期待しています。

2019年もSEMICON Japanで、2018年と同様のパネルディスカッションの開催を予定しており、3D Packaging & Integration日本地区委員会では、一層の規格化の成立に寄与していきたいと考えています。

 

本件に関するお問合せ
SEMIジャパン スタンダード&EHS部 柳澤智栄(cyanagisawa@semi.org